潮の読み方入門|満ち引きとイカの活性
潮の読み方の入門編。満ち引きの仕組みは月の引力、大潮と小潮は月の形で決まること、そしてエギングで大事なのは「潮が動いている時間帯」だという考え方を、気象庁の解説をもとに整理します。

釣りの話になると必ず出てくる「潮」。潮見表の見方とか、大潮がいいとか小潮がどうとか、初心者には情報が多すぎます。
結論から言うと、最初に覚えるのは3つだけです。潮の満ち引きは月の引力が起こしていること。大潮と小潮は月の形で決まること。そして釣りで大事なのは「大か小か」より「潮が動いている時間帯かどうか」だ、ということです。
この記事は、気象庁の潮汐の解説をもとに、潮の仕組みの基礎を正確に整理したうえで、エギングでの考え方につなげます。
対象は、潮見表を前にしても何を見ればいいか分からない、エギング初心者です。
この記事で分かること
- 潮の満ち引きが起きる仕組み(月の引力の話)
- 満潮・干潮の基本リズム
- 大潮・中潮・小潮の違いと、月の形との関係
- 潮とイカの活性の、現実的な考え方
タックル一式の話はこちらにまとめています。
潮の正体:月の引力が海を引っぱっている
潮の満ち引き(潮汐)は、主に月が地球に及ぼす引力と、それに伴う力(起潮力)によって起きます。
地球の自転によって、各地の海はこの力の影響を順に受けていくので、海面はゆっくり上がったり下がったりを繰り返します。潮位が上がりきった状態が「満潮」、下がりきった状態が「干潮」です。
太陽も同じように起潮力を及ぼしますが、月より遠い分、その影響は月の約半分ほどとされています。この「月と太陽の力の重なり方」が、後で出てくる大潮・小潮の鍵になります。
満潮と干潮は、1日2回ずつが基本
潮位は、月の運行に伴って、通常は1日に2回の満潮と2回の干潮を繰り返します。場所や時期によっては1日1回の場合などもあり、決して一律ではありません。
もうひとつ知っておくと便利なのが、満ち引きの時刻は毎日少しずつ遅れていくことです。月の動きに連動しているためで、そのずれは1日におよそ50分とされています。
「昨日と同じ時間に行ったのに潮が違う」は、このずれのせいです。釣行ごとに時刻を確認する習慣が大事なのは、このためです。
大潮・小潮は、月の形で決まる
1日の満潮と干潮の高さの差(潮位差)は、約半月の周期で大きくなったり小さくなったりします。これが潮回りです。
- 大潮: 新月と満月の頃。月と太陽が地球に対して直線上に並び、起潮力が重なるため、潮位差が最も大きくなる
- 小潮: 上弦・下弦(半月)の頃。月と太陽が直角の方向にずれて力が打ち消し合うため、潮位差が最も小さくなる
- 中潮: 大潮と小潮の間の時期
新月から次の新月までの約1か月の間に、大潮と小潮はほぼ2回ずつ現れます。流れとしては、大潮→中潮→小潮→(長潮・若潮をはさんで)→中潮→大潮、という順で約半月ごとに一巡りします。
つまり、釣りに行く日が「月のどの辺か」を見れば、その日の潮回りはだいたい分かります。
「潮が動く」とはどういうことか
潮位が上がる(満ちる)とき、海の水は陸側へ流れ込みます。下がる(引く)ときは逆に流れ出ます。この水の動きが「潮の流れ」です。
- 満潮・干潮の前後は、流れが弱まり、止まる時間帯がある(潮止まり)
- 満ち始め・引き始めから、流れは次第に速くなり、中間でピークを迎える
- 潮位差の大きい大潮の時期ほど、流れの変化も大きくなる傾向がある
釣りの現場で「潮が動いている」と言うのは、この流れが出ている時間帯のことです。逆に潮止まりは、流れがない時間帯を指します。
上げ潮・下げ潮という呼び方も覚えておくと便利
釣りの現場では、「満ちる・引く」を「上げ潮」「下げ潮」と呼ぶことが多いです。
- 上げ潮(満ち潮): 干潮から満潮へ、潮位が上がっていく間の流れ
- 下げ潮(引き潮): 満潮から干潮へ、潮位が下がっていく間の流れ
満潮・干潮が「点」だとすると、上げ潮・下げ潮はその間の「流れの向き」を表す言葉です。釣り人同士の会話や釣果情報で「上げ潮で釣れた」と言われたら、「満ちていく時間帯に釣れた」という意味だと思ってください。この2語が分かると、潮に関する情報の読み解きがぐっと楽になります。
ここまでの要点
- 潮の満ち引きは月の引力(起潮力)が起こす。1日2回の満干が基本で、時刻は毎日約50分ずつ遅れる
- 新月・満月=大潮、半月=小潮。月の形を見れば潮回りが分かる
- 満潮・干潮の前後は流れが止まり、その間は潮が動いている
潮とイカの活性:大事なのは「動いている時間」
では、エギングではどう考えるか。「大潮だから釣れる」と言い切れるものではありません。
一般論として、潮が動く時間帯は、エサになる小魚やプランクトンも流れに乗って動き、捕食する側の活性も上がりやすい、と言われます。釣り入門の解説でも「釣れていないときは、潮の向きや速さが変わるタイミングに集中してみる」といった考え方が紹介されています。
実践的には、こう考えるとシンプルです。
- 釣る時間帯の中に「潮が動き始める時間」が入っているかを、まず見る
- 朝夕のマヅメ(日の出・日の入り前後)と、潮の動きが重なると、なお良いとされる
- 大潮か小潮かは、その次。流れの緩やかな小潮でも、動き始めの時間はあります
潮は「釣れる保証」ではなく、「集中すべき時間帯を決める材料」です。そう割り切ると、潮見表が一気に読みやすくなります。

写真:Ray Bilcliff / Pexels
潮止まりは「休み時間」として使う、という考え方
集中すべきなのは潮が動く時間、と書きました。では、潮止まり前後の時間はどうするか。捨てるしかないかというと、そうでもありません。
潮止まりは「釣れない時間」と決まっているわけではなく、流れ以外の要素(常夜灯の明暗、藻場の位置など)で釣れる場面もあります。ただ、流れの後押しがない分、むやみに投げ続けるよりは、場所を移動したり、次の「動き始め」の時間に向けて段取りしたり、記録のメモを書いたりする時間に充てる、という組み立て方があります。
「動く時間に本気で釣って、止まる時間は次の一手を準備する」。そう割り切ると、釣行全体のリズムが作りやすくなります。
潮見表で見るのは、まずこの2つ
釣行前に確認する情報は、最初は2つで十分です。
- その日の潮回り(大潮・中潮・小潮のどれか)
- 行く場所の、満潮と干潮の時刻
気象庁や海上保安庁は、各地の潮位の予測(潮位表・潮汐表)を無料で公開しています。港ごとに時刻や潮位の高さは違うので、自分が行く場所のものを選んで見てください。
慣れてきたら「満潮から何時間後が自分の釣る時間か」まで意識すると、釣行の組み立てが楽しくなります。
釣行前に確認したいこと
- ✓ その日の潮回り(大・中・小)を確認したか
- ✓ 行く場所の満潮・干潮の時刻を確認したか
- ✓ 自分が釣る時間帯に、潮が動く時間が入っているか
- ✓ 朝夕のマヅメと潮の動きが重なる日かどうか
よくある疑問
Q. 大潮の日が一番釣れるんですか?
A. そうとは言い切れません。大潮は流れの変化が大きく、チャンスの時間帯がはっきりする一方で、流れが速すぎて探りにくい場面もあります。場所や条件で評価は変わるので、「大潮=正解」とは考えない方がいいです。
Q. 小潮はダメな潮ですか?
A. ダメではありません。流れが緩やかな分、エギを丁寧に探れる場面もあります。潮回りよりも、「釣る時間帯に潮が動いているか」を見る方が実践的です。
Q. 潮見表の「潮位」の数字は、見た方がいいですか?
A. 最初は満潮・干潮の時刻を優先してください。潮位の数字は、干潮のときに水深や足場の状態がどう変わるかを読む材料にはなりますが、港ごとに基準や出方が違います。「数字に振り回されず、まず時刻」という順番で大丈夫です。
Q. 月が出ていない日は、潮も動かないんですか?
A. 動きはします。潮の満ち引きは月の満ち欠けと連動していて、新月の頃はむしろ大潮になります。「月明かりで釣りがしやすいかどうか」と「潮が動くかどうか」は別の話です。混同しやすいので、分けて考えてください。
まとめ:こんな人に向いている
- 潮見表の見方が分からない人
- 大潮・小潮の違いをちゃんと理解したい人
- 釣りに行く日の選び方に、根拠が欲しい人
潮は、覚えること自体は多くありません。月の形と潮回りの関係、満干の時刻、そして「動いている時間に集中する」。この3点だけで、釣行計画の質はだいぶ変わります。
この記事を書いた人
しょう|エギングの釣行記とタックル・テクニックを発信しています。




コメント
コメントはまだありません